QOLのために

QOLとは

QOL(キューオーエル)とは、Quality of Life の略で、「生活の質」と訳します。
治療や療養生活を送る患者にとって、物質的な面だけでなく質的な満足度も含め、肉体的、精神的、社会的、経済的、すべて含めた生活の質のことです。
治療は治りさえすればよいものでしょうか。
治療をしつつも、自分らしい暮らしの質を確保することも大切なことです。

差額ベッド代

入院時、個室等の差額ベッド代は自己負担です。
ただし、患者の希望だった場合です。
何をもって希望とするのか、それは入院時の「同意書」です。

治療上の必要や、病院側の都合など、患者の希望でない場合はかからないのが原則です。
全国平均では1日7,500円程度ですが、病院によって大きなひらきがあります。
差額ベッド代は、待合室などに掲示してあるものですが、分かりにくい場合は早めに問い合わせておくとよいでしょう。

家族をサポートする費用

患者の家族は第二の患者、とも言われます。
家族は、自分のことを後回しにしがちですが、無理をしては長続きしません。

日常的な家事の時間や労力を軽くするには、外食やクリーニングの費用が増えることにも備えておきたいところです。

乳幼児がいれば、一時保育やベビーシッター代も必要になるでしょう。
自治体によっては、公的サービスが受けられる場合があります。

交通費

入院、通院、付き添いのための交通費は意外にかかります。

入退院時はタクシーを使うケースが多いようです。
特に退院時は、入院中に体力が落ちているため、電車やバスの利用は辛いでしょう。 

通院には、回数券や定期券の利用ができる場合があります。
放射線治療のように、一定期間毎日通う場合は定期券が便利です。

先進医療を受ける場合は、厚生労働省が認可した特定の医療機関での治療になります。
遠方であれば、新幹線や飛行機の利用になるケースもあります。

通院のための交通費は、医療費控除の対象となります。
領収証などはとっておきましょう。 

通信費

家族、友人、またはインターネット接続など、ほとんどの場合、通信費は膨らみます。
精神衛生上、あまり控えるのも考えものです。

携帯電話で通話をする場合、家族であれば無料になっていることが多いでしょう。
家族以外でも、無料通話アプリなどを利用している方が多いと思います。

また、モバイルWi-Fi を利用すれば、入院中でも動画などを楽しむことができます。 
(入院先で、使用してもよいか、確認してください)
契約の携帯会社で2台目として持てば、割引になる場合もあります。
自宅のPC接続も、一人分ならモバイルWi-Fiで済ませる方もいます。 

ウィッグ/かつら

抗がん剤治療で、脱毛は大変多い副作用です。
ウィッグは早めに準備しましょう。
大きな病院であれば、院内の理容室で扱っています。

また、オーダーメイドで作るものは、価格は高いですが、それだけに自然です。
副作用の脱毛は、眉毛やまつ毛にもあるので、顔の印象が変わります。
脱毛前に作ると、その時の印象を元に調整できてよいでしょう。 

行きつけの理容室・美容室でウィッグの購入ができるなら、ウィッグの調整だけでなく、抗がん剤治療後に発毛してからのお手入れも相談できるのではないでしょうか。
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